「健康食品」の安全性・有効性情報
<血中脂質>
・高トリグリセリド血症の23名 (平均52歳) を対象に、n-3系脂肪酸5 mL (EPA 751 mg、DHA 527 mg含有) を24週間摂取させたところ、摂取前と比較してトリグリセリド、総コレステロール、LDLコレステロール、AST、ALT、γ-GTが減少したという予備的な知見がある (PMID:15333967) 。
・慢性腎臓病患者85名 (56.5±1.4歳、試験群43名、オーストラリア) を対象とした、二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸4 g/日を単独もしくはコエンザイムQ10 200 mg/日と併用で8週間摂取させたところ、心拍、血圧、血中中性脂肪値が低下したがコレステロール値、インスリン濃度に影響は認められなかったという報告がある (PMID:19705518) 。
・血液透析患者34名 (試験群17名、平均50±18歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸2,080 mg/日を10週間摂取させたところ、血清トリグリセリドの減少が認められたが、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、リポ蛋白aの濃度や、その他血液検査値 (ヘモグロビン、ヘマトクリット、RBC、MCV、MCH、MCHC) に影響は認められなかったという報告がある (PMID:21859401) 。
・血液透析患者25名 (平均51±15歳、ギリシャ) を対象とした単盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸 (EPA 920 mg/日、DHA 760 mg/日含有) とα-トコフェロール8 mg/日 (単独摂取群は14.2 mg/日) を4週間摂取させたところ、α-トコフェロールのみを摂取した群と比較して、血清脂質やC反応性蛋白質濃度に影響は認められなかったという報告がある (PMID:21439849) 。
・高トリグリセリド血症患者19名 (平均56.4±2.7歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸エチルエステル4 g/日を6週間摂取させたところ、空腹時および食後の血中トリグリセリド値の低下が認められたが、膵β細胞機能の低下 (Disposition index) も認められたという報告がある (PMID:21775113) 。
赤緑色覚異常のために家系
<血管>
・n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取と心血管疾患の発症や死亡率との関連についての報告があるが、現時点ではポジティブな (有効性があるとする) 結果とネガティブな (有効性がないとする) 結果の両方が存在しており、個々の情報は下記のようになっている。
≪心血管疾患および死亡率等と関連が示唆されたという報告≫
[1] 1966年から1999年までを対象に、4種のデータベースで検索できた無作為化比較試験11報について検討したメタアナリシスにおいて、n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取は、非致死的心筋梗塞のリスクおよび全死亡率を20%減少させた (PMID:11893369) 。
[2] 1965年から2003年までを対象に、4種のデータベースで検索できた無作為化比較試験97報 (うちn-3系脂肪酸に関するものは14報) について検討したシステマティックレビューにおいて、n-3系脂肪酸の摂取は全死亡率を23%、心血管死を32%減少した (PMID:15824290) 。
[3] 48-56歳の男女 (各100名) を対象とした無作為化比較試験において、血清中のn-3系多価不飽和脂肪酸濃度 (PUFA) およびPUFA/飽和脂肪酸比が高い程、虚血性心疾患の発症率が低かった (PMID:7919085) 。
[4] 経皮経管冠動脈形成術 (PTCA) を行う患者339名を対象とした二重盲検比較試験において、n-3系脂肪酸のカプセル6 g/日 (EPA 3 g、DHA 2.1 g含有) をPTCA施術前後1ヶ月、半量で術後6ヶ月まで投与したところ、わずかではあるが再狭窄率を減少した (PMID:12075272) 。
[5] 慢性心不全患者6975名 (平均67歳、試験群3494名) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸1 g/日を平均3.9年間摂取させたところ、全死亡率、心血管疾患による死亡と入院リスクがわずかに低下した (PMID:18757090) 。
[6] 2010年9月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験10報について検討したメタ分析において、n-3系不飽和脂肪酸の摂取は、動脈硬化の指標 (脈波伝播速度 (PWV)、動脈コンプライアンス) の改善と関連が認められた (PMID:22005318) 。
頭痛を移行する
≪心血管疾患および死亡率等と関連がみられなかったという報告≫
[1] 2002年2月までを対象に5種のデータベースで検索できた無作為化比較試験58報およびコホート試験 (6ヶ月以上追跡) 41報について検討したシステマティックレビューにおいて、n-3系脂肪酸の摂取は全死亡率および心血管系疾患に関連した死亡率の減少は見られなかった (PMID:15495044) 。
[2] 急性心筋梗塞4-8日後の患者300名 (試験群115名) を対象に、1日4 gのカプセル (EPA:DHA=1:2、850〜882 mg含有) を12〜24ヶ月摂取させたところ、心疾患の発症、総コレステロールは対照群と差が見られなかったが、HDLコレステロールは上昇、トリグリセリドは減少した (PMID:11451717) 。
[3]健康な男女60名 (男性35名、女性25名、平均38歳) を対象とした単盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸2 g/日または6.6 g/日を含むカプセルを12週間摂取させたところ、血漿リポタンパク質関連ホスホリパーゼA2活性 (虚血性心疾患のバイオマーカー) に影響は認められなかった (PMID:19030909) 。
[4]心筋梗塞の既往歴があり治療中の患者4,837名 (60〜80歳、試験群3,601名、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、マーガリンとしてEPA 226 mg/日+DHA 150 mg/日もしくはα-リノレン酸1.9 g/日、またはこれら全てを40ヶ月間摂取させたところ、心血管イベント発生率 (PMID:20929341) 、抑うつ症状や楽観主義傾向 (PMID:22030221) に影響は与えなかった。
[5]冠状動脈バイパス術を受けようとする患者103名 (試験群52名、平均64歳、イギリス) を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸2 g/日を手術前に平均16.5日間摂取させたところ、術後5日間以内の心房細動発生率に影響は与えなかった (PMID:20042769) 。
[6]心血管疾患の既往歴はないが高リスクグループである高齢男性563名 (64〜76歳、試験群282名、ノルウェー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸を2.4 g/日、3年間摂取させたところ、心血管疾患発症リスクに影響はなかった (PMID:20389249) 。
[7]心房細動 (発作性と持続性) の患者663名 (60.5±12.84歳、試験群322名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸8 g/日を1週間、その後4 g/日を24週間摂取させ、6ヶ月間追跡調査したところ、心房細動の再発リスクに影響は与えなかった (PMID:21078810) 。
[8]心筋梗塞、不安定狭心症、虚血性脳卒中のいずれかの既往歴がある2,501名 (男性60.9±8.8歳、女性63.2±9.
抑圧された同性愛と社会不安7歳、試験群1,875名、フランス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、B群ビタミン (5-メチルテトラヒドロ葉酸560μg/日、ビタミン B6 3 mg/日、ビタミンB12 20μg/日) とn-3系不飽和脂肪酸600 mg/日 (EPA:DHA=2:1) のどちらか、または両者を平均4.7年間摂取させたところ、主要心血管イベントのリスク (PMID:21115589) 、血圧 (PMID:21801476) に影響は認められず、そのうち、1,748名 (平均61.0±8.8歳、試験群1,323名) を対象として認知機能を検討したところ、影響は認められなかったという報告がある (PMID:21593490) 。
[9]2008年9月までを対象に3つのデータベースで検索できた心血管疾患リスクの高い人を対象とした無作為化比較試験29報について検討したメタ分析において、n-3系脂肪酸の摂取は、全死亡率および冠動脈再狭窄リスクの減少に明確な影響を示さなかった (PMID:20525225) 。
[10]2010年12月までを対象に3つのデータベースで検索できた、心血管疾患患者を対象とした無作為化比較試験10報について検討したメタ分析において、n-3系不飽和脂肪酸の6ヶ月以上の摂取は、現行ガイドラインに従った治療を受けている場合、心臓突然死やその他の心臓に起因する死、全死亡率に影響は与えなかった (PMID:21626218) 。
[11]2010年11月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験10報について検討したメタ分析において、n-3系不飽和脂肪酸の摂取は、心房細動の予防に効果は認められなかった (PMID:21478384) 。
[12]持続性心房細動の患者204名 (平均69.3歳、試験群104名、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸を、電気的除細動を受ける1週間前から3 g/日、受けた後6ヶ月間は2 g/日、摂取させたところ、心房細動の再発リスクに影響は与えなかった (PMID:21059740) 。
[13]2011年1月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験4報について検討したメタ分析において、心臓手術を受けた患者によるn-3系不飽和脂肪酸の摂取は、術後の心房細動発生リスクに影響は与えなかった (PMID:22086523) 。
[14]心血管疾患のある透析患者137名 (試験群67名、平均64±11歳、デンマーク) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸1.7 g/日を3ヶ月間摂取させたところ、補正QT間隔に影響は認められなかった (PMID:21791142) 。
・n-3系脂肪酸の摂取と血圧について検討した報告があり、個々の情報は下記のようになっている。
[1] 心臓移植を受けた患者28名 (試験群14名、29±2歳) を対象とした無作為化比較試験において、脂肪酸 (EPA 46.5%、DHA 37.8%含有) を4 g/日、術後4日から6ヶ月まで摂取させたところ、免疫抑制剤シクロスポリン誘発性高血圧を抑制し、血清トリグリセリド値を低下させた (PMID:9137231) 。
[2] 1〜12年前に心臓移植をした高血圧患者45名 (試験群21名、57±2歳) を対象とした無作為化比較試験において、n-3系脂肪酸 (EPA 46.5%、DHA 37.8%含有) を4 g/日、12ヶ月摂取させたところ、体血管抵抗の上昇に伴う最高・最低血圧の上昇、血清クレアチニン値の上昇、糸球体濾過率の低下を抑制 し、血清中トリグリセリドを減少させたという予備的な知見 (PMID:11207085) 。ただし、この現象については更なる検証が必要。
[3] 糖尿病を併発していない軽度の本態性高血圧 (最低血圧:95〜104 mmHg) および正常血圧の男性各16名 (31〜57歳) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、n-3系多価不飽和脂肪酸エチルエステルを4 g/日 (1日あたりEPA 2.04 g、DHA 1.4 g含有) 、4ヶ月摂取させたところ、高血圧患者でのみ摂取前と比較して最高・最低血圧が低下した という予備的な知見 (PMID:9733153) 。
[4] 血液透析患者24名 (平均64.7歳) を対象とした単盲検前向きコホート研究において、n-3系多価不飽和脂肪酸を1日2 g (EPA 900 mg、DHA 150 mg含有)、4ヶ月間摂取させたところ、血中脂質濃度に変化は認められなかったが、血圧の低下がみられた (PMID:18264942) 。
[5] 健康な成人310名 (45〜70歳、試験群239名、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系長鎖不飽和脂肪酸を0.45 g/日、またはその2倍量、4倍量、12ヶ月間摂取させたところ、血流依存性血管拡張反応 (FMD) や動脈壁の硬化、血圧に影響は与えなかった (PMID:21865334) 。
・末期腎臓不全患者166名 (試験群84名、65.9±11歳、デンマーク) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸1.7 g/日を3ヶ月間摂取させたところ、血漿中ホモシステイン濃度に影響は認められなかったという報告がある (PMID:20851307) 。
・冠動脈疾患のある末期腎臓病患者206名 (試験群103名、平均66±11歳、デンマーク) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸(高トリグリセリド血症治療薬)1.7 g/日を3ヶ月間摂取させたところ、血漿中の非対称性ジメチルアルギニン (ADMA) や、対称性ジメチルアルギニン (SDMA) 、L-アルギニン濃度に影響は認められなかったという報告がある (PMID:20349405) 。
・経皮的冠動脈形成術を受け、標準的な薬物治療中の患者54名 (試験群30名、平均62.2±9.8歳、ポーランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸1 g/日を1ヶ月間摂取させたところ、フィブリンクロット特性の変化やトロンビン生成の減少などの抗血栓性が認められたという報告がある (PMID:21617138) 。
・健康な成人60名 (試験群40名、平均38〜39歳、デンマーク) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸6.6 g/日または2.0 g/日を12週間摂取させたところ、血漿中酸化ストレスマーカー (ミエロペルオキシダーゼ) に影響は認められなかったという報告がある (PMID:20196964) 。
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